基本的には当社では地下カロートの施工をする場合は鉄筋コンクリート製の物を使用させていただいています。
ですがご要望によっては御影石での作成もさせて頂く事も可能です。
自分の知っている限りで1件御影石のカロートを施工させて頂いたことがあります。
という事で自分の練習も兼ねて御影石カロートを作ります。
当社は昔、といっても10から15年くらい前までは原石を仕入れて自社加工をしていました。仕入れる原石の形、というか大きさの種類としては、
①乱尺・・・採石場からとれたサイズの原石
②小割・・・乱尺の原石を、墓石の各部材用の大きさに切削したもの
という2種類があります。
石材店によっては②の小割を仕入れて、それを墓石の部材に仕上げていく事も多いのですが、自社では①の乱尺の原石を仕入れて墓石を作っていました。
乱尺のサイズは様々ですが、2立方メートル位の物もあり、重さでいうと、石の比重は1立方メートルで約2.5tなので、5tの重さになります。それを運ぶためのフォークリフト、その大きさの原石を切削するための機械も持っています。
話は逸れましたが、そういう乱尺の石材を使用していたという理由で、現在もそのストックがあるため、御影石カロートを自社で製作する事が出来ます。
画像の石材は縦30センチ、横30センチ、奥行き150センチの物です。
それを30×30×90センチのサイズ4枚に切削していきます。
人工ダイヤモンドの刃がついたカッターで約1センチずつ切っていきます。当たり前ですが石は硬いので、切るだけで時間がかかります。また、4枚の板を枠状に繋いでカロートにするため、各部材がきちんと直角が出ていないと4枚を合わせた時にいびつな形になってしまいますので、石材と刃の位置を細かく調整していきます。
4枚に切削した後、そのうちの2枚の両端にカギを作り、外からの圧力に耐えるようにします。その後、カロートの内部になる面を研磨して鏡面仕上げにして終了です。これだけで1日かかる為(要領よければもっと早いかもしれませんが)大変です。画像は仮組をしたものですが、組むことは組めましたがやはり厚みが少し違ったり、角が直角じゃなかったりで全く100点とは程遠い結果です。勿論これを実際に使用する事もできますが、自分の技術としては、もっともっと一つ一つの工程に神経を使って、大事なポイントは時間をかけて確認、修正をしていかなければいけません。
何でもそうだと思いますが小さな差異が、工程を重ねるごとに大きくなっていき結果的にはものすごく大きな差異になって表れるものです。
日々精進していきます。